現在の日本の産婦人科事情は、医師不足で逼迫しています。
産婦人科を志す女性医師が増えたことで、産婦人科医の総数は
わずかに増加しているのですが、お産の現場で働く産婦人科医
は減っているの現状です。
当直が多く、医療訴訟に巻き込まれる確率も高い、お産に関わ
らなくとも生殖医療などの分野でも働ける、そんな事情がある
ことに加え、女性医師の場合は自身の出産、育児で臨床を離れ
なければいけないことも影響しています。
お産が夜間になると、お爺さん産科医が登場するのことが多い
のには、そんな背景があります。
日本産婦人科学会の会員の3割が60歳以上だと言います。
医師の平均寿命は、平均より10歳短く、産科医はさらに5歳短く
なるとも聞きます。
「夜中にお産に呼ばれると、そのたびに命が短くなるような気
がするよ」とは、冗談では済まない老産婦人科医の言葉です。
私は、いくつかの病院を応援する形で、そんな産科医療の現場
に関わっています。
少しでも多くの先生方が、お産を続けられえるようにお力にな
りたいと考えた末の働き方です。