海底油田の調査測量を行っていた海工丸は、本社の倒産によりフィリピン滞在を余儀なくされていた。
ひまを持てあましている一等航海士徳永に、謎めいた美女が声をかけた。彼女の名はドリスといい、南シナ海に沈んだ父の遺産五百万ドルを引き上げるので協力してほしいという。
ドリスの強引さに、いつの間にか手伝うはめになった徳永だが、彼女の複雑な性格に陰を落とす、フィリピン社会の病根に気づかざるをえなかった……。
彼の目にうつったのは、絶望的な利権争いと、その犠牲となる人々の命。
この国に救いはあるのだろうか?
フィリピン滞在八年に及ぶ著者が描く、迫真の海洋冒険小説。



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医師不足、過重労働、理不尽な訴訟……。聞こえるのは現場の悲鳴か、断末魔か?
ここに描かれたことは、日本の医療の現実である。
志を抱き奮闘する現役医師が描いた、衝撃の医療小説!
この国の医療に警鐘を鳴らす渾身作!

〈いかなる患者も診る〉という診療方針を掲げる希望会総合病院。医療関係者からは異端と見られ、ハードな研修制度で知られるこの病院に、志あふれる産婦人科医・菊池堅一は入職した。
しかし現実は甘くなかった。医師不足、過重労働、そして、理不尽な医療訴訟。過酷な労働環境は、精神的にも肉体的にも菊池を疲弊させていく。そして、菊池に降りかかった事件。
入院患者の分娩中に救急産婦の治療が重なり、新生児に障害を残してしまったのだ。
人手のない夜勤中での出来事だったが、菊池は適切な治療を怠ったとして、一億を超す支払いを求める訴訟を起こされる。菊池に過失はあったのか?最前線で奮闘する現役医師が医療崩壊の実態をあますところなく描いた渾身作!

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作品紹介
フィリピンを知り尽くした男の超絶アクション!!
麻薬逃亡犯の汚名を着せられた日本人コンサルタントがマニラのスラム街を疾走する―
特異な経歴、圧倒的筆力の著者が放つ書下ろし冒険ロマン!

この作品は、マニラの下町、チャイナ・タウンの近くキャアポ教会の周囲の雑踏をブラブラしている時に思いつきました。
この町で追われる身になったら、自分はうまく立ち回れるだろうか…。
そして、当時在留の邦人からの相談を受けることも多く、この本を書きました。

医療ものから離れて書けた作品です。
でも、題材はまだ、マニラにこだわっています。

医療からもフィリピンからも脱却したものが書けた時、
私としては、本当の意味で作家になれるのかと思っています。

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